2012年4月5日木曜日

一呼吸おいてみることの難しさ

駅が見えた時点から、定期を出す。
レジに並んだ瞬間からポイントカードを出す。
病院に入る前から、保険証を取り出し、右手にかまえる。
火をかけて材料を炒めながら、次に追加する材料を切る、焦がす。
プッチンプリンは3秒で飲み干す。
まだ食べ終わってないのに、次のアイスを出す。
テレビを見ながら、編み物をする、本を読む。
冷める前に食べて口内を火傷する。
お辞儀をしながら、喋りだす(正式にはお辞儀が終わってから)

そんなわけで、けっこうなイラチでせっかちだ。
キャバクラで優雅にマドラーをかき回す、おねーちゃんのしぐさに
憧れながら、がさつにどたばた音を立てながら生きている。

お茶は、ゆっくりとした動作で、魅せる。
もう根っからせっかちなわたしは、今なにかしながら、
次にすることを考えている。
せわしないのだ。

なるたけゆっくり動きなさい。
お茶の先生から言われた。
お茶をたてることを味わうのだ。

やればできるんだから。

むりだと思った。でも、わたしよりわたしを信じて力を込めて言われたら
やるしかないんだ。



お稽古の茶室には、季節の野花がちろりと飾ってある。

女らしくしっとりあるより、
からりとして大雑把でざっくりしたがははと笑うひょうきんな人に
なりたかった。実際、ほぼ近い状態だと思う。
繊細さをアピールし、しっとり女らしくあるのは、
悪いことじゃないんだと言い聞かせてみよう。