ミランダジュライの新作
あなたを選んでくれるもの 訳岸本佐知子 新潮社
はあはあ、岸本佐知子さんの訳が最高すぎるーっ
映画の脚本に行き詰ったミランダジュライが、前時代的なフリーペーパーの売りますのコーナーを
見て、売り主のところに話を聞きに行くというもの。
なんてミランダっぽい!
それがまた引きが強いというかなんというか
女性になりたい生活保護の男性とか体中入れ墨だらけの女とか
オタマジャクシを売る特殊学級の生徒とか
もうこれだけで読みたくなるでしょ!!!!
インタビューにすればするほど、自分の脚本がつまらなく感じるミランダジュライ。
どうなるんだ映画の脚本!そしてスポンサー!
あー読み終わりたくないー(読んじゃったけど)
あーミランダジュライ好きそう(笑)っていうかんじの自分がいやなんだけど
でもやっぱりすごく好き
結婚したものの、ひとり暮らしの自分の部屋を解約できず、たまに行って
残ったインゲン豆に思いを馳せているとかもう
ミランダジュライの小説の中の人みたいなこと、本人もやってるんだと思うともう最高!
モテないぶって結局おまえも結婚するのかよ!みたいな作者は
もう読むことがなくなってしまったんだけど
ミランダジュライだけは結婚して出産してもどこかきちがいというか
自分と世間の隔たりがどこまでも続いているような人のような気がして
安心できる
きちがいすぎて、みじめなのってわたしだけじゃないんだ…という気分(と言っても向こうは偉大な芸術家である)